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使徒(しと)は、テレビアニメ新世紀エヴァンゲリオン』に登場する架空の生物。作品中で人類に敵対する存在。また、ここでは貞本義行による漫画版および『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に登場する使徒についても述べる。そのほかのメディアにおいて登場する使徒(ゲーム版など)についてはここでは扱わない[1]

テンプレート:ネタバレ

概要 編集

使徒(シト)とは、NERV(ネルフ)本部のある第3新東京市に襲来する、謎の生命体の呼称である。他の使徒と連携することはなく、必ず単体で襲来する。各使徒の名前の由来は、聖書偽典エノク書の天使名に由来する。第18使徒であるリリンも含め、全18種。

使徒という語は英語ではApostleであるが、本編および英語版のエヴァにおいても一貫してAngelとの表記がとられている。

漫画版ではサンダルフォン、マトリエル、イロウル、レリエルは登場せず、またリリスは「生命の卵」で使徒とはされておらず、リリンも含めて全13種(漫画版ではミスにより第7使徒が2回カウントされている)となっている。

使徒の襲来目的は、第3新東京市地下の空洞内にあるNERV本部に幽閉される第1使徒アダム(実際に幽閉されていたのはリリス)と融合し、サードインパクトを引き起こすことによって、人類の滅亡を図ることであるとされる。なお「EOE」のパンフレットには生命の実(S2機関)を得たヒトが使徒であり、知恵の実を得たヒトが人類と説明されており、この両者が持つ二つの実を同時に手にする事、それが人類補完計画であると説明されている。

起源 編集

使徒に関する設定は制作の経緯から何度か変更されたため、新旧設定が錯綜している。例えば、下記にある「第1始祖民族」の設定は、企画書段階で存在した設定であったがアニメ内では一切触れられておらず、2003年に発売されたゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』で、アニメの内容に適合させて現れたものである。また、貞本義行の漫画版でも、以下の設定が第1始祖民族の設定を除き、ほぼそのまま再現されている。現時点において公にされた諸設定を統合すれば、下のようになる。

使徒は第1始祖民族が造りあげた「月」をその起源としている。月は宇宙から飛来し、地球には2つの月が落下した。通称「白き月」にあった始祖アダムが第3 - 16の使徒を産み出した(第17使徒は人為的に造られた)。一方、通称「黒き月」にあった始祖リリスは原始生命を生み出し、その進化の先に第18使徒、つまり人類がいる。それぞれの月は地下の大空洞(ジオフロント)として知られているが、実際にはそこから発生した生命の魂が帰り再生を待つ場所、「ガフの部屋」と呼ばれる。

本来は白き月のアダムから生まれた使徒が地球を支配する生命体となる予定だった。しかし何らかの理由により、アダムは活動を停止し、黒き月のリリスが産み出した生命が地球を支配することとなった。その進化の果てに生まれた人類は寿命が限られた代わりに高い知能・心を持つ。

特徴 編集

使徒は独自の波長パターン (Blood Type) を持っており、MAGIシステムによりパターン青と判断されれば使徒とされる。様々な姿や能力を持つが、構成素材の差こそあるものの信号の配置と座標の99.89%までは、人類遺伝子と共通である[2]。由来は、人間の個人の遺伝子の差から。

コアと呼ばれる赤い光球を持ち、それを破壊されることで活動を停止する。また、このコアは使徒を物理的に破壊できる唯一の手段である。S2機関(スーパーソレノイド機関)と呼ばれる永久機関を体内に持つ(コアとは別のものである)。A.T.フィールド (Absolute Terror Field) と呼ばれる、不可視の防壁(干渉等により可視となることもある)を周囲に展開し、通常兵器ではそれを突破することができない。そのため、同種の防壁を展開することで、相手のA.T.フィールドを侵食・中和できるエヴァンゲリオンのみが、人類の保有する唯一の対抗手段である。

テレビ版・漫画版に登場する使徒 編集

以下、特に断りのない限りテレビ版の使徒に関する記述である。

劇中では使徒はアダム以外名前で呼ばれず、「第○使徒」もしくは「第○の使徒」と数字で呼称される。

アダム (ADAM) 編集

第1使徒。南極で発見されセカンドインパクトを引き起こしたとされる光の巨人。名前の由来は、最初の人間(男性)であるとされる「アダム」から。

第3 - 16使徒以降の使徒を生み出した「生命体の源」。また、初号機を除くすべてのエヴァンゲリオンの元となっている(零号機に関しては異説あり)。ゼーレの出資により南極に派遣された葛城調査隊により「白き月」内部で発見され、その調査中に覚醒、そして光り輝く4枚の巨大な翼を広げると共に謎の大爆発を起こし、南極大陸は一瞬にして融解、アダム自身もバラバラになり退化していった。 しかし実際はゼーレとゲンドウらにより仕組まれたものであり、アダムを卵にまで還元しようとする過程で生じたものがセカンドインパクトであり、その規模を縮小するべく措置も施されていた。 尚、後にその肉体は胎児状にまで復元され、最終的には碇ゲンドウの右の掌に埋め込まれた。この描写はビデオフォーマット版の第弐拾四話とDEATH (TRUE)2に存在する。漫画版にはSTAGE.71にゲンドウがアダムを喰う描写があり、その影響かA.T.フィールドを使う描写も見られる。

また、魂はゼーレによって別に人型の肉体を与えられ、第17使徒タブリス=渚カヲルとして存在している。

リリス (LILITH) 編集

第2使徒。ファーストインパクト(地球の衛星である月が形成される原因となった地球と小天体との衝突)は、このリリスを入れた黒き月を運ぶキャリア(これも月と言う)が原因である。これによりリリスを入れた黒き月は地中深くに残り、それを運ぶキャリアは天に留まり、それが地球の衛星であるあの月である。リリスはアダムとは異なる「生命体の源」であり、アダム系を除く全ての地球上の生物の始祖であり、その最終形態として生み出されたのが人類(リリン)である。特務機関NERV本部の地下最深部、ターミナルドグマに磔にされている白い巨人。テレビ版のデザインは磯光雄[3]

第2使徒については長期間にわたって正式のアナウンスがなかったが、後にバンダイから発売されたカードダスや、PS2のゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』で第2使徒がリリスと発表された。これに続き、ガイナックスから使徒を擬人化したキットシリーズ『使徒XX』において「A-02 LILITH≒XX」がリリースされ、さらにエヴァンゲリオン・クロニクルでもこの事実が明記された。そして『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』で、アニメで初めて設定が明言された。名前の由来は、アダムの最初の妻であるとされる「リリス」から。

エヴァンゲリオン初号機はEVAのうち唯一リリスから生み出されたものだとされる。リリスの魂は、魂の宿ることがなかった綾波レイの肉体に移されている。

リリスの顔には7つの目の面がはりつけられているが、これは「ヨハネの黙示録」第5章6節の目が7つある羊(黙示録の仔羊)を描いた、スペインのサン・クレメンテ聖堂(現在はバルセロナのカタルニア美術館所蔵)の12世紀のフレスコ画から借用したもの。これは、ゼーレのマークにもなっている。

サキエル (SACHIEL) 編集

テレビ版の第壱話、第弐話に第3使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「水」を司る天使・木曜日の守護天使「サキエル」から。

セカンドインパクト以来、15年ぶりに出現した使徒。四肢を持つ人型ではあるが、手足の形状は細く長い。首にあたる部分はなく、頭部は仮面のような無機質な形状をしている。最初は近接戦闘のみを行っていたが、国連軍のミサイル攻撃から、長距離攻撃(右腕部より射出される光のパイルと呼ばれる光線状の槍)も覚えた。N2地雷によってダメージを受けた際に2つ目の顔を出現させている。この2つ目の顔からは光線を放つこともできる。光線はかなり強力なもので、ジオフロント上部の特殊装甲をあっさり貫通し、天井部に格納されたビルを落下させ、本部上空まで到達している描写がある。EVA初号機の初陣となった戦闘では、初号機の右目を光のパイルで貫き活動停止に追い込んだ。最終的には再起動して暴走した初号機の手によってA.T.フィールドを破られた上コアに亀裂を入れられ、初号機を巻き込み自爆した。

本アニメの企画書第2版によれば、本来は第八話で、国連艦隊に護衛された弐号機と戦うためにデザインされた使徒であるが、最終的には第壱話へ転用された[4]

サキエルの顔は、アニメで初めて登場した使徒ということもあってか、使徒全体のシンボル的に扱われ、Tシャツなどのグッズも製作・販売された[5]

デザインは漫画家のあさりよしとお[6]

シャムシエル (SHAMSHEL) 編集

テレビ版第参話に第4使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「昼」を司る天使「シャムシエル」から。

筒状の身体に、鞭状の腕部を持つ使徒。イカに近い形をしており、海から出現した。足と呼べる部分は存在しないため、移動手段は主に飛行。直立状態でも微弱ながら前進する事はできる。主に触手(腕)を高周波ブレードのように使い攻撃を行う。EVA初号機を触手での攻撃とアンビリカルケーブルの切断によって窮地に追い込むが、最後は初号機のプログレッシヴ・ナイフでの直接攻撃によってコアを破壊され、活動を停止。コア以外はほぼ無傷だったため、NERVによって使徒のサンプルとして回収された。

デザインは漫画家のあさりよしとお[6]

ラミエル (RAMIEL) 編集

テレビ版第伍話、第六話に第5使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「」を司る天使・復活を待つ魂の管理者・幻視を司る天使「ラミエル」から。

青い正八面体の形状を持つ使徒。コアを内部中心に収蔵し、強力なA.T.フィールドを展開するとともに、一定距離内に侵入する脅威目標には長射程かつ高威力の加粒子砲による狙撃を行なう。出撃直後の初号機を中破させた後、身体下部から伸ばしたボーリング・マシン(直径17.5mの巨大ドリル・ブレード)によってNERV本部へ侵入しようとしたが、日本全国の電力を徴用して実施された、EVA初号機と零号機による超長距離からの陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)による狙撃(ヤシマ作戦)によりコアを破壊され、撃破される。

特撮番組『帰ってきたウルトラマン』に登場する怪獣プリズ魔がデザインに影響を与えており、ラミエル登場時の効果音にはプリズ魔のものが使われている[7]

ゲーム版新世紀エヴァンゲリオン2では最初は国連軍艦隊の前に現れ、EVA用パーツを破壊して逃走し、後に第三新東京市に現れたという設定になっている。

ガギエル (GAGHIEL) 編集

テレビ版第八話に第6使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「魚」を司る天使ガギエルから。

EVA弐号機(B型装備)を輸送中の艦隊を襲った使徒。その姿は深海魚に似ている。また、頭頂にはサキエルと同じ顔がついている。起動した弐号機を水中に引きずり込むが、戦艦イリノイケンタッキー2隻による口内への至近距離からの同時射撃により殲滅される。漫画版ではアスカ1人で殲滅している。

いきなり海上に現れ、艦隊を襲ってきたのは、加持がこの時に持っていたアダムのサンプルを狙って現れたためである。第3新東京市に出現・侵攻することは無かった。

間接的ではあるが、現代兵器により殲滅された唯一の使徒である。

デザインは前田真宏[8]

イスラフェル (ISRAFEL) 編集

テレビ版第九話に第7使徒として登場した。名前の由来はイスラームの「音楽」を司る天使「イスラーフィール」の別読み『イスラフェル』からで、全使徒中、唯一イスラームの天使から名前がとられている。

二足直立歩行し、弓状に湾曲した腕を持つ。頭部は無く、胸部に赤と青で彩られた対極図のような顔(分裂時には白い)を持ち、コアはその下部に位置する。鋭い爪と、顔から発する光線がおもな攻撃手段。歩行したり、浮遊して移動することができる。

当初は1体で襲来したが、同型の2体に分裂する能力を持っていた使徒。片方が傷ついても分裂したもう1体が無事なら瞬時にダメージを回復し、初戦では初号機と弐号機を活動停止に追い込んだ。しかし、再度の襲来時には初号機と弐号機によるコアへのユニゾン攻撃により撃破される。

デザインは前田真宏[8]

サンダルフォン (SANDALPHON) 編集

テレビ版第拾話に第8使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「胎児」を司る天使・天使の牢獄とされる第五天マホンの支配者「サンダルフォン」から。

浅間山火口において発見された使徒。発見時は蛹のような状態であったため、A-17(使徒捕獲作戦)の対象とされるが、作戦実行中に羽化を始めたため作戦は中断。捕獲作戦にて出撃していた対高熱高圧仕様(D型装備)のEVA弐号機により熱膨張を利用して撃破される。

蛹状態の際には人間に似た形で指も5本あるように見えるが、羽化後はアノマロカリスカレイをもとにしたような形状で、マグマの中を自由に泳ぎまわることが可能。

漫画版には登場していない。

声は『ウルトラマン』に登場する怪獣グビラ(噛み付くとき)、キーラ(断末魔)のものである。

マトリエル (MATRIEL) 編集

テレビ版第拾壱話に第9使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「雨」を司る天使マルティエルから。

「事故」(実際は何者かに因る破壊工作)により停電中のNERV本部に襲来した、ザトウムシのような形態をした使徒。目のような模様があり、地面に面した目から強力な溶解液を流し込みNERV本部に侵入しようとしたが、手動操作で出撃したEVA3機による連携攻撃(弐号機が溶解液を受け止め、零号機が落下したライフルを拾い、初号機が撃つ)によって撃破される。

漫画版には登場していない。

サハクィエル (SAHAQUIEL) 編集

テレビ版第拾弐話に第10使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「空」を司る天使「サハクィエル」から。

衛星軌道上から自らの身体とA.T.フィールドを質量爆弾として落下させ、NERV本部を破壊しようとした使徒。出現当初は自身の一部を切り離して落下させ着弾点を確実に誤差修正しながら、最後には本体もろとも落下を開始するが、EVA3機による連携で受け止められ、最後はコアにプログレッシブ・ナイフを突き立てられて撃破された。

漫画版では、第七使徒(イスラフェル)に次いで登場するが、殲滅の報告を受けた冬月が「これで7つか」と発言しており[9]、この次の使徒(バルディエル)でも番号にずれが生じている。

イロウル (IREUL) 編集

テレビ版第拾参話に第11使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「恐怖」を司る天使イロウエルから。

微生物状の使徒であり、その実態は他の使徒とは異なり群体で、多くのナノマシンの集合体(不定形だが、ハッキングの際は電子回路パターンに似た姿を構成する)。自らの弱点となるものに遭遇しても、環境に適応するために異常な速度で自己進化、全体としての生存を図る特性を持つ。自身でアダムに接触するのではなく、その目的の障壁になるNERV本部のメインコンピュータMAGIシステムに侵入し、NERV本部自爆コマンドを実行し障害を排除しようとした。

シグマユニットD-17の第87蛋白壁の搬入時に寄生、プリブノーボックスの模擬体を浸食しシグマユニットを汚染。レーザーを撃ちこみ、殲滅しようとするがA.T.フィールドによりはじかれる。その後、サブコンピュータから保安部のメインバンク経由でMAGIのクラッキングに成功。メルキオール(MELCHIOR)、バルタザール(BALTHAZAR)を乗っ取ったが、リツコがカスパー(CASPAR)から進化促進プログラムを投与した結果、進化の終局=死へと至らしめられ自壊した。

唯一、EVAとの直接戦闘を経ずに殲滅された、特異な使徒である。

漫画版には登場していない。

レリエル (LELIEL) 編集

テレビ版第拾六話に第12使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「夜」を司る天使レリエルから。

空中に浮かぶ白黒の模様を持つ球形の物体が本体と思われたが、その直下に広がる影のようなものこそがこの使徒の実体であり、球体はその影のようなものである。自身の影が攻撃された際にその攻撃した対象の真下に本体を瞬間移動する能力を持っている。内向きのA.T.フィールドによって支えられた厚さ約3ナノメートルの「実体」の内部には、虚数空間(ディラックの海)が広がっている。EVA初号機を虚数空間内部に取り込み、活動停止まで追い込むも、暴走した初号機によって内側から引き裂かれた。

漫画版には登場していない。

バルディエル (BARDIEL) 編集

テレビ版第拾八話に第13使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「霰」を司る天使「バラキエル」の別称バルディエルから。

粘菌状の使徒。侵蝕型の使徒で侵蝕した物質の性質を変える力があり、また侵蝕した生物の身体能力を高めることができる。長野県松代での起動実験のため、NERVアメリカ支部から日本へ空輸中のEVA3号機のエントリープラグに侵入・侵蝕し、搭乗中のフォースチルドレン・鈴原トウジもろともその支配下に置いた。起動実験中に覚醒して松代に大規模な爆発を起こし、迎撃に来た弐号機と零号機を瞬時に撃破。その後は初号機と戦い、最終的にダミープラグにより暴走状態におかれた初号機によって3号機もろとも撃破される。その際、エントリープラグの中にいたトウジは生存はしたが、左足を失うことになった。寄生された3号機は暴走時の初号機のような俊敏な動きを見せる。腕部は伸縮自在となり、リーチを活かした戦闘が可能。また、地中にもぐりこませて急襲することもできる。

漫画版では、トウジは脾臓破裂と頭部裂傷により死亡する。第七使徒(イスラフェル)の次の次、「第九使徒」に相当するが、ゲンドウはこれを「第八使徒」と呼んでいる[10]

なお、『新世紀エヴァンゲリオン2』では条件を満たすと覚醒しないが、原因は明らかにされていない。3号機を清掃していたトウジによれば赤いカビ状のものらしく、他のEVAにまで寄生していたがトウジやネルフスタッフにより洗い流されている。

ゼルエル (ZERUEL) 編集

テレビ版第拾九話に第14使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「力」を司る天使「ゼルエル」から。

最強の使徒[11]。ずんぐりとした体躯に、折り畳んだ帯状の腕部(展開、カッターとして使用)を持ち、空中を浮遊して移動する。身体上部の顔状の部分からは強力な光線を発射し、ラミエルが突破に十数時間を要したジオフロント上部の18もある特殊装甲を、瞬時に溶解させるほどの攻撃力を持つ。コアをまぶたの様なシールドで護る事ができる。ジオフロント内に侵入後、迎撃に出たEVA弐号機の攻撃をまったく寄せ付けず、両腕・頭部を切断。EVA零号機のN2爆弾によるコアへの直接攻撃に対しても、N2爆弾がコアに接触する寸前にシールドを展開したため傷を負わず零号機の頭部を切断。ついにはNERV本部内へと侵攻するものの、EVA初号機によってジオフロントまで後退させられる。初号機の電源が切れたのと同時に攻撃を再開し、敗北寸前にまで追い込むがEVA初号機の覚醒によって殲滅・捕食された。捕食によりEVA初号機は永久機関であるS2機関を手に入れる。

腹の部分に人間の横顔のシルエットらしき色がある(ガイナックス企画書より)。デザインは漫画家のあさりよしとお[6]

アラエル (ARAEL) 編集

テレビ版第弐拾弐話に第15使徒として登場した。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「鳥」を司る天使アラエルから。

光る鳥のような形状を持ち、最初に人の心に迫った使徒。衛星軌道上から詳細不明の可視光エネルギー波(A.T.フィールドに近いものである事は判明している)によってEVA弐号機パイロットに精神攻撃を仕掛けて活動停止に追い込んだが、ゲンドウの指示によりEVA零号機が投擲したロンギヌスの槍により撃破される。

アルミサエル (ALMISAEL) 編集

テレビ版第弐拾参話に第16使徒として登場。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「子宮」を司る天使「アルミサエル」から。

光るDNAのような、二重らせんの円環構造(プラスミドに類似)を持つ、アラエルに続き人の心に迫った使徒。対象物を侵食し、融合しようとする習性を持つ。迎撃に出たEVA零号機を侵食、融合しようとするが、同機の自爆により撃破される。

漫画版では分離能力を持っており、綾波レイが搭乗する零号機、渚カヲルが搭乗する弐号機との戦闘で、零号機を侵食し、弐号機の左足を破断。零号機の自爆によって殲滅された。

タブリス (TABRIS) 編集

テレビ版第弐拾四話に第17使徒として登場。名前の由来はユダヤ・キリスト教伝承の「自由意志」を司る天使タブリスから。この名前は本編中では明らかにされず、後に劇場版パンフレットなどで示された。

ゼーレによってアダムの魂が人型の肉体に宿され、フィフスチルドレン・渚カヲルとしてNERV本部に送り込まれる。アラエル、アルミサエルに続き人の心に迫った最後の使徒。人類をリリンと呼び、歌を「リリンの生み出した文化の極み」と評するなど超然とした態度を見せる少年である。

EVAとのシンクロ率を、自らの意思で自由自在に操ることができる。アダムと接触するために、EVA弐号機を外部からコントロールし、NERV本部のセントラルドグマを降下、最下層(ターミナルドグマ)に到達し、アダムを幽閉するヘヴンズ・ドア(天国の門)を開く。しかしそれがアダムではなくリリスだと知ると接触を中止、追撃したEVA初号機に対しても抵抗の意志を見せず、握殺された。漫画版では登場時期や性格など異なる点が多い。

リリン (LILIN) 編集

使徒のひとつである人類。リリスから生まれた唯一の使徒であり、群れをなして存在する。

リリンとはカヲルが人類を指していった言葉である。劇場版でミサトにより、人類=リリン=第18の使徒であるという旨の解説がなされる。このほかにもシト新生のパンフレットにも人間=第18使徒という記述が散見される。名前の由来は、アダムリリスの娘達である、リリン夢魔)から。

新劇場版に登場する使徒 編集

新劇場版に登場する使徒は、リリスを除き命名されていない[12]

新劇場版の使徒は、コアが破壊されると自らの形態を維持できなくなり、大量の赤い液体に変化する。この現象をNERVは「形象崩壊」と呼ぶ。また頭部に天使の輪のような物が一瞬、描かれている。使徒が殲滅された際には、空間に虹がかかる。

『序』において、第6の使徒出現時に碇ゲンドウが「我々は、残り8体を倒さねばならん」と発言しているが、それに第3の使徒、第6の使徒が含まれるかは不明。

第1の使徒 編集

新劇場版の第1の使徒については、現時点ではまったく不明である。第2作『』のセカンドインパクトの描写の中で、4体の光る巨人が現れるが、これについて直接的な言及はなく、AR台本にも「使徒」や「アダム」とは記されていない。ただし『破』の予告(第1作『』の最後に収録)では、そのカットに続けて「ADAMS」という文字が挿入されていた。

第2の使徒・リリス 編集

『序』で登場するリリスは、7つの目の仮面に代わって、第4の使徒(旧作におけるサキエル)の顔と同じデザインの仮面を被せられている。外見上の違いは、胸に大きな傷があり(これはリリスのデザインを担当したokamaによると、人類が調査を行った跡[13])、槍(テレビ版・旧劇場版のロンギヌスの槍と同じ形状のもの)がこの段階で刺されており、さらに小さな十字架状の杭が傷跡に沿って複数打ち込まれている。また、NERV職員に対しても存在そのものが秘匿されていたテレビ版と異なり、「リリスに使徒が接触するとサードインパクトが発生するため、これを防がなくてはならない」という特務機関NERVの最大目的が職員一同に認識されている。

第3の使徒 編集

『破』に登場。発見時は永久凍土内で休眠状態にあり、人類による解体調査を受けた後、NERV旧北極基地(ベタニアベース)に封印されていた。複数の足が生えた球形の胴体から、骨状の蛇もしくは龍のような首と尾を生やした外見で、頭部から放つ光線を主な武器とする。首にはエントリープラグソケットが埋め込まれている。加持の手引きにより封印を解かれ活動を開始したが、マリの操縦するEVA仮設5号機により殲滅された。デザインは主に鬼頭莫宏による。

第4の使徒 編集

『序』に登場。テレビ版第壱・弐話に登場した第3の使徒「サキエル」がベースデザイン。外観や攻撃能力等の設定はテレビ・原作から特に変更されていない。最期は暴走した初号機に殲滅された。その際に噴き出す血が青から赤へと変更されている。

第5の使徒 編集

『序』に登場。テレビ版第参話に登場した第4の使徒「シャムシエル」がベースデザイン。常時動かしている触手が主な特徴。2本ムチの様な武器であらゆる物を引き裂く。胴体のデザインはテレビ版に登場した物から特に変更されていないが、第3の使徒と同じ顔「デコイ」が背後にデザインされている。

第6の使徒 編集

『序』に登場。基本的な形状と能力はテレビ版の第5使徒ラミエルと同じ。しかし戦闘方法はテレビ版と大きく異なり、攻撃時・防御時には「四次元立体を三次元空間に投影した」というコンセプトに基づいた[14]、様々な形態に目まぐるしく変化する不定形さを見せる(攻撃形態時にのみ中央部にコアが実体化するが、形態によってはコアが複数に分裂する)。この変形はロバート・ワイズ監督による映画作品『アンドロメダ…』で病原体が増殖する描写を基にしている[15]。また、ジオフロントへの掘削攻撃に用いるドリルも内部から出てくるのではなく、正八面体の下部が伸びてドリルを形成する。加粒子砲もそれに合わせて多彩かつ強力になっており、ビルをまとめてなぎ倒したり、周囲360度から飛来するミサイル群をすべて迎撃することが出来る。最大の攻撃では山を半分吹き飛ばすほどの威力を誇る。

初号機の陽電子砲による1回目の狙撃が命中するも、致命傷とはならず反撃するが、零号機の盾に阻まれ、2射目で殲滅される。陽電子砲による攻撃を受けた際には、星型正二十面体のような大きなトゲを無数にもつ、ウニのような形となって人の叫び声のような奇声を発する。ヤシマ作戦による殲滅後は本体だけでなくジオフロントまで到達したドリル部も形象崩壊し、NERV本部に血の雨を降らせた。

第7の使徒 編集

『破』に登場。第4の使徒や第5の使徒とほぼ共通の頭部を備えた時計のオブジェのような本体と、それを支える長細い脚部から構成され、全体的に水飲み鳥のような形状を持つ。二本の足で海面を歩くことができ、この時、海面が凍結する。頭部を変形させて放つ触手状の光線を武器とする他、胴体にコアのデコイを有しており、これを破壊されると一瞬体勢を崩すが、本物のコアを内蔵した下部の球形部分が上部へと移動したうえで復活する。式波・アスカ・ラングレーの操縦するEVA2号機によって本物のコアを蹴り砕かれ形象崩壊した。

鶴巻和哉によると、第7の使徒がオリジナルとなったのはテレビ版第八話の原画を全て紛失したため。

第8の使徒 編集

『破』に登場。衛星軌道上からNERV本部を目指して落下するという性質はテレビ版の第10使徒サハクィエルと同じだが、A.T.フィールドが光を歪めるほど強力であり、遠目には「目のような模様が描かれた黒い球体」にしか見えない。身体の一部を切り離しての弾着修正も行うことなく、A.T.フィールドを安定翼の様に用い自ら軌道修正をしながら落下する。A.T.フィールドの位相変異後(テレビ版の第12使徒レリエルに似た模様をもつ球体にサイケデリックな彩色を施したような姿)は、その姿が衛星軌道上からもハッキリと確認できるほど巨大である。この球体が花弁の様に展開し、真の姿(テレビ版の第10使徒に同心円状の彩色を施し、ヒト型の羽根状のものを無数に生やしたような姿)を現す。

最初に到着した初号機に受け止められた際に、中からヒト型の本体が現れて初号機と指を交差させ突っ張り合うが、その直後に腕を巨大な槍と化して初号機の両掌を貫通し撃退を試みる。また、コアを高速で動かすことができ、2号機のナイフ攻撃をこの能力で一旦はかわした。しかし駆けつけた零号機にコアを鷲掴みにされ止められ、それを2号機の2本のナイフで刺され、さらに膝蹴りを食らいコアを破壊されると形象崩壊した。この戦闘によってNERV本部配属のEVA3体と第3新東京市は少なからぬ損害を被る。

第9の使徒 編集

『破』に登場。基本的な形状と能力はテレビ版の第13使徒バルディエルと同じ「浸食タイプ」だが、テレビ版と違い粘菌状ではなく、コアがエントリープラグを浸食して一体化している。アスカがテストパイロットとして起動実験中のEVA3号機を乗っ取ると第3新東京市へ侵攻する。3号機のプラグ深度は危険域に突入し、プラグ挿入部にまとわりついたアメーバ状の形成物によりプラグ射出信号も受け付けなかった。初号機と交戦した際、両腕を封じられたため肩のウェポンラック部分から新たに生えた腕で初号機に浸食を試みた。しかしダミーシステムによって制御された初号機によって3号機を破壊され、エントリープラグごとコアを噛み砕かれ殲滅された。

テストパイロットのアスカは生存が確認されたが、当使徒による精神汚染が懸念されたため隔離措置をとられた(肉体的な損傷に関しては不明)。

第10の使徒 編集

『破』に登場。頭部のデザインはテレビ版の第14使徒ゼルエルとほぼ同じだが、全体の形状は大幅に変化し、サイズもひとまわり大きくなっている。胴体は帯状のものが巻きついて構成されており、自在に身体形状を変化させられる。当初は手足の無い姿だったが、形状を変化させると帯状組織がほどけてヒレのようなものが大量についたような姿になる。冬月が「最強の拒絶タイプ」と称するように、頭部から放つ光線で第3新東京市とNERV本部を隔てる24層の装甲板を一撃で貫通する圧倒的な攻撃力を見せた他、A.T.フィールドも一枚ではなく何重にも重ねて展開する事が出来、巨大なフィールドで防御する事も出来れば、極めて近距離で小型のフィールドを数枚展開することも可能なため、非常に高い防御力を持つ。さらに、このフィールドの層を相手に向かって連続して展開し、そのまま吹き飛ばす事が出来る。またDVD、Blu-ray版では、A.T.フィールドの塊をマリが乗った2号機に落とすシーンも追加されていた。攻撃接近戦においてはヒレの最も長い一対を円柱状に束ね、太く鋭利な触手として一気に突き出して攻撃を行う。「裏コード、ザ・ビースト」を実行した2号機と、N2ミサイルでの零号機の特攻を一蹴した直後、レイを乗せたままの零号機を捕食、融合して体部が白い裸体の女性に変容する。同時に識別パターンも零号機の物に擬態、NERV本部最深部 (L-EEE) に達すると自動起動するはずの施設自爆機能も無効化した。

NERV本部地上部を破壊するとセントラルドグマへ降下するが、そこでシンジが搭乗する初号機と会戦。内部電源を消費し活動を停止するも、取り込まれたレイを救出しようとするシンジの強大な意志によって再起動した初号機によって圧倒され、コアから零号機のコアを引きずり出され形象崩壊した。液状となった使徒の組織は、零号機のコアを中心にレイの姿をとり、初号機に吸収された。

デザインはテレビ版の第14使徒ゼルエル同様、漫画家のあさりよしとお。

脚注 編集

  1. これらの使徒は、パラレルワールドとしてアニメ版では存在しない、またはイレギュラー扱いされ、正式な使徒としてカウントされていない。
  2. 本編第伍話における赤木リツコのセリフより
  3. 小黒祐一郎『アニメ様の七転八倒』第46回
  4. 『ニュータイプ100%コレクション 新世紀エヴァンゲリオン』(角川書店)に収録。
  5. 新世紀エヴァンゲリオン 使徒 Tシャツ、eva store
  6. 6.0 6.1 6.2 漫画『新世紀エヴァンゲリオン』第2巻あとがきより
  7. 『劇場版エヴァンゲリオン完全攻略読本』(三一書房)P132
  8. 8.0 8.1 Yahoo!JAPANエヴァンゲリオン特集_スペシャル・インタビュー
  9. 単行本5巻、111頁。
  10. 単行本6巻、123頁。
  11. フィルムコミック、アメトーーク「エヴァンゲリオン芸人」、その他参照。
  12. 『序』のパンフレットにはサキエル(第4の使徒)・シャムシエル(第5の使徒)・ラミエル(第6の使徒)の名前も書かれているが、その後発売された関連商品ではそれらの名前の表記が無くなっている。
  13. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 ENTRY FILE 1』91ページ
  14. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 ENTRY FILE 1』95ページ
  15. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 パンフレット

関連項目 編集

fr:Ange (Evangelion)

it:Angelo (Neon Genesis Evangelion) ko:사도 (신세기 에반게리온) pl:Anioł (Neon Genesis Evangelion)uk:Ангел (Neon Genesis Evangelion) zh:使徒 (新世纪福音战士)

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